みなさん、どうも。リケットだ。
さて、先日の「Apple Event」では、Apple Watchの最新版Series 6や、廉価版のSE、iPad第8世代などが発表されたが、個人的に期待していたのは「iPad Air(第4世代、以下4)」。筆者は、iPadをこれまで持っていなかったため、最初に買うモデルとしてこのiPad Air 4を待ち望んでいた。iPad Proに近いデザインや性能になるのではないかとの噂はあったが、その姿がついに明らかとなった。
結局、筆者はiPad Proを買うことにしたのだが…
今回は、iPad Air 4の外観やスペックをみていきながら、その魅力やiPad Proとの違いを読み解き、なぜ筆者はiPad Proを選択することになったのか紹介する。
今回のiPad Air 4、最大の変更点は、フルスクリーンのデザインを採用したことだろう。
出典:Apple(日本)「iPad Air – Apple(日本)」https://www.apple.com/jp/ipad-air/
このように、まるでiPad Proのようなフルスクリーンのデザインである。そのため、ベゼルが上下左右で均等となり、洗練された印象を与える。
ちなみに、サイズの比較をしてみると、以下のようになる。
iPad Air 4 | iPad Pro(2020年式、11インチ) | iPad Air 3 |
---|---|---|
247.6 x 178.5 x 6.1 | 247.6 x 178.5 x 5.9 | 250.6 x 174.1 x 6.1 |
こうしてみると、Air 4は、厚さ以外Proの11インチと同じ大きさであることが分かる(「Air」の名を冠しているにもかかわらず、厚さがProより増えているのは謎だが…)。
また、Air 3と比較すると、幅こそ増えたものの、高さは減っており、画面サイズは大きくなったものの、サイズはほぼ変わっていない。
iPad Air 4 | iPad Pro(2020年式) | iPad Air 3 |
---|---|---|
10.9 | 11(12.9もあり) | 10.5 |
そして、今回のiPad Airには新機軸が搭載されている。その1つが電源ボタンに内蔵されたTouch ID、指紋認証だ。
このような機構自体が珍しいという訳ではとくにないが(Androidではよくく搭載されていた)、Apple製品としては初めての搭載ということもあり、一応目玉となっている。
家の中で使う分にはマスクを着用するケースは少ないと思うので、そのような意味ではFace IDも便利ではあるだろうが、iPad Proでは、横持ちしたときにFace IDの読み取り部が手で隠れてしまうという問題があった。そのため、Touch IDの採用を望む人にとっては待望の製品となる(このTouch IDは、外で使うことも多いiPhoneにこそ、つけてほしいという方も多いハズ)。もちろんマスク着用時に使う機会の多い方は便利になるに違いない。
気になる点としては、電源ボタンの位置が本体右上(縦に持った場合)であること。上よりは側面のほうが利便性はよかったのではないかと感じる。
そして、今回のiPad Airは、なぜかカラーバリエーションが増大した。Air 3と比べると、ゴールドはローズゴールドになり、淡いグリーンとブルーが加わったのである。多くの層を取り込みたいがための策の一つなのだろうか。もちろん、選べるにこしたことはないし、どれも綺麗な色合いなので、人気が出ることは間違いない。
また、iPad Air 3ではLightning端子が搭載されていたが、Air 4ではついに、USB-C端子の搭載に踏み切った。単純に利便性の増大につながってくるし、さまざまな周辺機器を接続できるのも嬉しい点だ(iPhoneユーザーからすると、むしろ端子が別になるので、利便性は下がるのかもしれないが)。
ここでスペックをみていこう。iPad Proの2020年モデル(11インチ)と、iPad Air 3とも比較する。
iPad Air 4 | iPad Pro(2020) | iPad Air 3 | |
---|---|---|---|
画面サイズ(インチ) | 10.9 | 11(12.9もあり) | 10.5 |
解像度(ピクセル) | 2360 x 1640 | 2388 x 1668 | 2224 x 1668 |
ProMotionテクノロジー(リフレッシュレート120Hz) | ×(60Hz) | ○ | ×(60Hz) |
最大輝度(ニト) | 500 | 600 | 500 |
SoC | A14 | A12Z | A12 |
RAM(GB) | – (3 or 4?) | 6 | 3 |
ストレージ(GB) | 64 / 256 | 128 / 256 / 512 / 1TB | 64 / 256 |
カメラ | 12MP広角 f/1.8 | 12MP広角 / 10MP超広角 f/1.8 | 8MP広角 f/2.4 |
ビデオ撮影 | 4Kビデオ撮影(24fps、30または60fps) 映画レベルのビデオ手ブレ補正 | 4Kビデオ撮影(広角:24fps、30または60fps、超広角:60fps) 映画レベルのビデオ手ブレ補正 | 1080p HDビデオ撮影(30fps) ビデオの手ブレ補正 |
フロントカメラ | FaceTime HDカメラ 7MPの写真 – – – 1080p HDビデオ撮影 | TrueDepthカメラ 7MPの写真 ポートレートモード ポートレートライティング アニ文字とミー文字 1080p HDビデオ撮影 | FaceTime HDカメラ 7MPの写真 – – – 1080p HDビデオ撮影 |
端子 | USB-C Smart Connector | USB-C Smart Connector | Lightning Smart Connector |
サイズ(高さ x 幅 x 厚さ、mm) | 247.6 x 178.5 x 6.1 | 247.6 x 178.5 x 5.9 | 250.6 x 174.1 x 6.1 |
重量(Wi-Fiモデル、g) ※[]内は、Wi-Fi + Cellularモデルのの重量 | 458[460] | 471[473] | 456[464] |
電源とバッテリー Wi-Fiでのインターネット利用、ビデオ再生 | 最大10時間 | 最大10時間 | 最大10時間 |
同梱電源アダプタ | 20W USB-C | 18W USB-C | 12W USB |
対応Apple Pencil | 第2世代 | 第2世代 | 第1世代 |
対応キーボード | Magic Keyboard Smart KeyBoard Folio | Magic Keyboard Smart Keyboard Folio | Smart Keyboard |
オーディオ | 2スピーカーオーディオ(横向き) | 4スピーカーオーディオ | 2スピーカーオーディオ |
認証方式 | Touch ID(電源ボタン内蔵) | Face ID | Touch ID(ホームボタン内蔵 第2世代) |
LiDARスキャナ | × | ○ | × |
カラーバリエーション | シルバー スペースグレイ ローズゴールド グリーン スカイブルー | シルバー スペースグレイ | シルバー スペースグレイ ゴールド |
容量と消費税10%込の価格 ※[]内は、Wi-Fi + Cellularモデルの価格 | 64GB 6万9080円[8万5580円] 256GB 8万7780円[10万4280円] | 128GB 9万3280円[11万1980円] 256GB 10万5380円[12万4080円] 512GB 12万9580円[14万8280円] 1TB 15万3780円[17万2480円] | 64GB 6万280円[7万6780円] 256GB 7万8980円[9万5480円] |
iPad Air 4 | iPad Pro(2020) | iPad Air 3 |
今回のiPad Airは、iPad Proに近い見た目・価格となったことで、無印iPadとの比較というよりは、iPad Proとどうしても比較してしまう。
SoCに「A14」チップ搭載。Proの「A12Z」とどっちが上なんだ…
その中で、まず気になるのがSoCだ。なぜなら、iPad Air 4に搭載されたのは、「A14」という最新のチップであるため。このA14は、iPhone 12にも搭載されるものとみられる。通常、iPhoneに初搭載されるはずの最新チップが、iPadに初搭載されるのは異例である。(ただ、Airの発売は10月なので、発売自体はiPhone 12と同時期になる可能性あり)
このA14は、5nmプロセスを採用し、よりパフォーマンスが向上、バッテリー持続時間に寄与している。CPUは6コアで、Air 3のA12と比べて40%高速、GPUは4コアで30%早いグラフィックスを実現しているという(実際にどこまで違いがみられるのかは不透明)。
ここで注目したいのは、iPad Proに搭載されているA12Zと比較して、どこまで性能差があるのか、という点だ。
まず、A14がどのくらいの性能なのかが未知数である以上、どちらが良いのかを確実に判断することはできない。
そこで、比較材料の1つになるのは「コア数」だ。A12Zは8コアであり、A14よりも多い。とくに、GPUではその差を感じることになる可能性があるので、動画・画像編集をバリバリこなしたいならば、やはりProに軍配が上がるかもしれない。
結局はベンチマークが出てこないと分からない部分も多いが、AirがProよりも性能が上になるということはないだろうし、SoCだけで性能が決まるわけでもないので、Pro勢が買い換えるほどではない…と信じよう。
カメラは12MPに性能アップ
iPad Air 4のカメラは単眼であり、Proとの差別化が図られている。また、LiDERスキャナも搭載されていない。ただ、Air 3の8MPから12MPへと、順当に性能が上がっており、書類などのスキャンには十分だろう。
ちなみに、Proではフロントカメラでのポートレートやアニ文字などに対応していたが、Air 4では対応しておらず、ここも差別化がされた。
Apple Pencil第2世代も、Magic Keyboardも使える
ここも、Proに近づいた部分といえるが、周辺機器としてPencil第2世代やMagic Keyboardに対応した。AirかProか、余計に悩ましい方が多いのでは?
同梱の電源アダプタが20Wに
ここも地味にProと比較しての長所と言えるが、電源アタプタが20Wになっている。Proは18W。
さて、こうしてiPad Proとの比較をしてきたわけだが、なぜProと比較したかといえば、今回のAir 4はAir 3から1万円高くなり、Proの価格帯に近づいたからである。
今回のAir 4を買おうか検討するとき(今の筆者がまさにその状況)、まず気になるのはストレージ容量だ。Air 4では、3と同様64GBと256GBが用意されている。この2モデルというのは、正直微妙だ。
64GBで十分ならば問題はないのだが、そもそもクリエイティブな作業を一切せず、動画を見たり、電子書籍を読んだり、ちょっとゲームをしたりするぐらいなら、無印iPadで十分だろう。今回、iPad Air 3と同じA12チップが載ったことで、スペックもさらによくなり、価格は128GBでも税込4万9280円(Wi-Fiモデル)である。
そして、クリエイティブな作業をするとなれば64GBでは足りないという可能性も考えられる(もちろん足りるならば64GBモデルで良いと思う)。そうなると128GBも検討したいところだが、Airには128GBがなく、必然的に256GBモデルを選ぶことになる。
しかし、ここでiPad Proのほうに目を移すと、なんとAirの256GBからプラス5000円でProの128GBが買えてしまうのである。
ProがAir 4より優れている部分は、以下の通りだ。
- リフレッシュレートが120Hz
- 最大輝度が高く、解像度も高い
- 画面サイズが11インチなので、ほんのわずかにだが、ベゼルが細い
- 12.9インチモデルがある
- スピーカーが4つ
- 0.2mm薄い
- 超広角カメラ、LiDERスキャナ搭載
- 128GBモデルがある。また、512GB、1TBモデルもある(もちろん高額になっていくが)
また、確定事項ではないが、メモリの多さでProとAirの差をつける可能性が考えられるので、そのような面でもProのほうが優れているといえる。また、iPadを外で使う機会が少ない人は、Face IDのほうが利便性が高い場合もあるだろう。
Air 4の256GBを買おうとしたとき、そこに5000円を加えればProに手が届いてしまうのである。もちろん128GBでは足りないという人は、256GBモデルを買うことになるので、1万7000円以上の差が生まれる(Apple Pencil1個分以上だ)。そうなるとAir 4がやはり有力視されるわけだが、個人的には256GBまではいらないし、Air 4を選ぶ理由はなくなってきてしまった。
結局のところ、iPad Airは、コスパが良いというのが一番のメリットであったと思う。ちょうど良いスペックで、それなりの価格。それが、Airの良さだったはずだ。だが、1万円の値上げとなってしまったことで、その良さが欠けてしまった気がする。まあ、今後Proも値上がりするとなれば、再びProとのバランスは調整されていくので、その方向に進んでいくのかもしれない。
というわけで唐突だが、筆者は初iPadに、iPad Proを選ぶことにした。
もともと今回のAirは、多くの噂が出ており、Proに近づきつつもコスパの良い機種になると思い期待していたのだが、とにもかくにもそれほどの製品ではなかった(コスパ良くない)。もうこうなったら、と思い至って、Pro 11インチの128GB・Wi-Fiモデルを買おうと決断した。Proについても来年春に新型が出るのではないかという噂はある。もちろんすでにiPadを持っている人はそこまで待ってみても良いと思うが、筆者はiPadをまだ持ってすらいないので、とりあえず買って使ってみる。それで、iPad ProとApple Pencilを買い、大学の勉強や動画などの視聴に役立てたいと思う。
そして、今回のiPad Air 4をおすすめできる人は、
- 64GBモデルで十分な人
- 少しでも支払価格を抑えたい人
- Touch IDのほうが利便性が高い人(マスクを付けた状態で使う機会が多いなど)
- 新色やローズゴールドを選びたい人
- Proのスペックは必要ない人
と、こんなところだろうか。iPadを買いたいけど、Proはいらないという人にはこれ以上ない選択肢である。
そもそも筆者自身もiPadを使ったことがない。実際には64GBで事足りるのかもしれないし、反対に128GBでは足りないのかもしれないし、Face IDは使いづらいかもしれないし… まあ分からないことだらけ。今回はあくまでもスペック等を客観的にみての感想に過ぎないことはご理解いただければ幸いだ。
(Airは微妙と思わせておいてProを買わせるという、Appleの策略にはまっている気がしないでもない)
というわけで以上、今回の記事はここまで。最後までご視聴いただきありがとうございました。
では、失礼します。